Region Brandingという考え方

今、旅館、ホテルに求められるRegion Brandingという考え方。

今、そこにある「地域の物語をつむぎ、世界へ伝えていく」Region Branding(特定の地域の資産を紡いで物語化しブランディングしていく)という思考こそが、今後のホテルや旅館のブランディング手法の中心になっていくことは間違いないでしょう。

そもそもRegion Brandingとは、僕たちスーパーマニアックが従来から使用してきたブランディング手法の一つですが、それはというと、その地域(特定の限られた地域)に息づくコンテクスト(文脈)を見つけ出し、デザインや、マーケティング手法を駆使して、それらを磨き上げて、オンリーワンに育て、そして世界へと伝えていくブランディング手法です。例えば、この地域は田舎で何にもないと思っているかも知れませんが、実はその田舎というものも徹底的に磨けば、実は輝く原石になるかも知れません。目の前に広がる田園風景、大地や海に沈みゆく夕日や、古くからその地域で培われてきた特産品等々、もともと、その地域に息づくコンテクストを拾い集めて、それらの物語化をはかり、デザインで磨き、ここだけのオンリーワンにすることで「どこにもないここだけの」の体験価値の高い商品へと昇華させることができるのです。何気に見ていた原風景こそが実はダイヤの原石なのかも知れません。そんな地域の、それも限られた地域の特性的資産を活かしきり「ここだけの、ここにしかない価値」を見出して、それらをマーケティングし、デザインする。今こそ、そんなリージョンブランディングが、地場を資産とするホテルや旅館その他、観光業態の生き残るための一つの手法になることは間違いないでしょう。

それと、実は前からそんなことは既にやっていたという会社様も少なくはないでしょう。ただ、それが本当に機能していますか?地域特性を活かして、それをデフォルメしたデザインをやっているだけや、地域特性をパンフレットにしているとか、SNSで拡散しているとか、そんな表層的(アピアランス)なプロモーションだけでは効果は出ないでしょう。Region Brandingはなんといっても、その編集にノウハウが必要になります。いかに際立たせて、それらをいかに物語化し、また、どう見える化(デザイン)までを一貫したトーンとマナーで表現を統一し、そこに地域色もしっかりと忍び込ませるなどのクリエイティブ戦略も重要になるのです。これらのことを駆使することで同じことをやっていても結果が全く違うものになるのではないでしょうか?

私たちは仕事柄、様々な地域を巡る機会が多いのですが、色々な場所を訪れて、いつも思うことは、当たり前のことですが「ひと」「まち」「その地域」「特産品」「風習」等々、地域によって本当に様々で、そこには、しっかりと其々の特徴があるのです。しかし残念ながら、その地域の中にいたら、人は中々気付かないものです。そんな誇るべき特徴やその地域に横たわるフラグメント(断片)を際立たせるせることが僕たちの仕事の一つなのです。そんな限られた地域の特徴をマーケティングし、デザインすることでパワーに変えて、発信するリージョンブランディングこそ、今、御社に必要なことではないでしょうか?