裏の刺激

裏の刺激

物事には表と裏が存在する。
僕はどちらかというと裏に魅力を感んじずにはいられない。
表通りよりも裏通りであったり、物語もバックストーリーの方がおもしろかったりする。
裏には危うくも妖艶な色気が存在し、いい意味でも悪い意味でも表以上にしっかりした芯が、根付いているように思うからだ。
また、裏に存在する刺激のひとつに「計り知れない何か」を感じるからかもしれない。
何事も裏は解りにくいから、そこに怖さや危うさを感じる。でも知りたい、見たいと思う好奇心が、色気という形で現れる。そこに魅力があるのではないだろうか。

男女の関係においてもそうであるように、最初は相手の全てを知りたがる。
しかし、いざ知ってしまえば、昔程、関心を示さなくなる。裏も同様で知ってしまえばというところはあるものの、そこまで踏み込まない、または踏み込めない。だから興味が沸き、魅力を感じる。
そこに色気を感じるのかもしれない。
我々は、空間や店舗のデザインをしていく上で、色気は欠かせない要素のひとつなので、色気とはを突き詰めていくと、裏や影、暗、闇、謎なんかに行き着く。
これどうなっているのというところに、人は興味を持つし、その秘密が解けないところに、魅惑の誘いが存在したりする。そういう仕掛けをいくつか空間に散りばめることで、色気ができる。
ただし、裏だけではできない。当然のことながら、表があって、裏があるのだから、表を際立たせるための裏であるべきなのだ。表を際立たせたければ、裏を極めることである。
そうすれば、表がより際立つのである。