デザイン発想法

デザイン発想法

よく「今福さんは思いがけない発想をされますね」と言われる。
そこで、ビジネスモデルやデザインの発想ってどこから降ってくるのだろうと考えてみた。
僕は、商環境デザイナーという職業柄、様々なモノゴトに興味を持って接する姿勢は、人よりも貪欲かもしれない。しかし、それがはたして発想につながるのか?
商環境を描いていく上で、ビジネスの組み立て方をはじめ、デザインとはを考えた場合、一つのことに気付かされたのである。
デザイナーが、この世界で見ているものは、人とそう大差はないはずである。
しかし、デザイナーの発想の原点は「人が見てはいるけれど、見えていないもの」に興味を持って接することができるかだと思ったのである。多くの人は、今の自分に関係ない、または、興味のないものは見えていても見ようとしない特性がある。例えば、ある秋の日に樹木の葉が散り、目の前にその葉が落ちてきたとしよう。その葉は人からすれば単なる落ち葉であるが、その落ち葉の落ち方や、日差しに照らせれゆっくりと落ちゆく様に「美」が感じられたその瞬間に、その落ち葉はデザイナーにとっては素晴らしい情報に変わるのである。
このように普段、目にしている物やコトも視座を変えると情報に変わるのである。デザイナーは、人が見えていても見えない物や事に何かを感じ、心にとどめる力が必要なのかもしれない。
それらを情報として捉え編集を重ね、形象化することが、デザインの正体の一部かもしれない。
発想を鍛えるには、新聞や雑誌、テレビ、インターネットなどで情報をほじくり回す以上に、人が見えているのに見ようとしていないものにスポットを当て、見ていくことから始めてはどうだろうか。