マーケティング思考とデザイン

可変する時代に成功するマーケティング思考とデザイン

コロナ禍で飲食企業をはじめ、街の飲食店も例外なく疲弊し、先の見えない戦いが続いてきましたが、ここに来てようやく、この戦いにも光が見えてきた感覚があります。そこで一気に盛り返したいと願う飲食関係者からの声を受けて、どうしたら加速度的に回復に向かえるかなど、私たちの経験と実績から導き出した答えをほんの少しだけ掻い摘んで、触りだけになりますがご説明いたします。また、今回はデザインという角度からの視点になりますが、デザインをする為にはという前段に、実はほぼ成功の秘密は足元に隠されているということを本文をお読み頂きご理解いただければ幸いです。

飲食店のデザインに必要なことは、アピアランス(表層的)でどこかで見たようなデザインを取ってつけるだけはなく、マーケティング思考の延長にデザインはあるべきだと私たちは考えています。では、ここで言うマーケティング思考とはどのようなものでしょう?端々を掻い摘んでのご説明にはなりますが、ここで言うマーケティング思考とは簡単にいうとpurchase flow(パーチェスフロー=消費者がそのお店を認知して、ご来店いただき、さらにリピートする一連の流れを作ること)を、その時、そのお店が持ち合わせる、あらゆる資産(資産とはお金だけのことではありません)の中から何をチョイスし、際立たせ、強化するかのハンドリングをしていきつつ、消費者とのタッチポイントである「商品(看板構築)、プライシング(価格戦略)、アクセス(認知促進)、各種デザイン(デザイン戦略)、オペレーション(らしい接客、接遇)」のバランスをとりながら、このお店らしいの「らしさ」を構築し、その環境全体で消費者にその存在を問うことだと思うのです。
その一環、一端の先っぽにデザインがあるべきだと私たちは考えています。もっと簡単にいうといかに流行るか(経済的に回る仕組み、仕掛け)をしっかりと構築していき、その先っぽにデザインがなければならないということです。ゆえにデザインだけを先行させるのではなく、まずはこのお店の資産(人、金、技術、ロケーション、ネットワーク等々)を耕作してみて、その足元に横たわる資産を拾い上げて、それを磨き、際立たせるところから始めるべきなのです。
私たちは少なくともそこから始めることを心がけています。本来、それらをしっかりとハンドリングしたその延長にしかデザインは存在してはならないのかも知れません。デザインはその店の持つ売りを際立たせる装置と言っても過言ではないでしょう。と言うことは前段にある「そのお店の際立たせるべき何か」を再耕作するところから始めるべきではないでしょうか?再耕作してみると案外チョイスした売りの磨き方が弱いかもしれないし、そもそもそのチョイス自体が間違えているのかも知れません。まずはそのチョイスを疑ってみること、常識だと思っていたことやイケてると思っていたことがしっかりと消費者に伝わっているのか?その辺りも検証する必要があるかも知れません。今、ようやく動き出した市場に乗り遅れない為にも、今こそマーケティング思考でデザインをはじめ、資産の耕作から見直してみる必要があるのかも知れません。