音バコ

音バコ

60年代のgogoクラブ、80年代ディスコと続き、00年代のクラブシーンも下火になり、80年代のディスコ復刻を目指したお店も出現しつつも、いまいち乗り切ることができない。
勿論、流行っているところも少なくないが、全体的には下火と言わざるおえない。
そこで注目しているのが、ダンスフロアは一切とらず、音を楽しみつつ、クラブのり、またはサロンのりの音バコが今、人気を集めつつある。

もともとニューヨークなどでは、このスタイルは普通にあったものの、日本ではここ数年程前から、認知されつつある。クラブとの違いは、空間構成の考え方が違う。多目的にその時の用途やノリによって、自由に使い分けることができる音バコはBARの要素やダイニングの要素、サロンの要素、クラブの要素を巧みに取り入れ、入場時のチケット料などは取らないところも手軽感がある。さらに幅広い年齢層の獲得が可能という点も強みである。
低迷する経済状況下で、生活者のフラストレーションも限界になりつつある昨今において、このような刺激を提供する業態は受け入れられつつある良いタイミングだから話題性を作るのも今がチャンスの業態である。

しかし、都心ならば、外国人のモデルなどが、空間に色を添え、さらに刺激的に見える要素はあるが、地方においては、やはり、空間の色気が勝負となるだろう。そうなると、やはり初期投資も大きくなるので、その分リスクの高い業態でもある。勿論、あたれば大きく回収も可能という水もの要素の高いことは確かである。
今後、この業態はまだ増えると考えられ、提供する音や空間によってターゲット層の細分化がさらに進むと思うが、狙いたいターゲット層として一番にあげたいのは「プチセレブな人々」である。今の時代、安価にほんの少し見栄を張らせてくれる空間が欲しいと思う「プチセレブ需要」は、かなりものだと判断するからである。
男性なら30代のプチセレブの取り込み、女性なら20代後半を狙い、ほんの少し贅沢にその時を過ごす、そんな欲求はかなりあるはずである。

いずれにしても、刺激のるつぼが必要な要素のあるこの業態。
「まじめにやんちゃ」にまとめ、良質な刺激をいかに提供し続けるかが鍵となるだろう。
よって重要なことは箱だけでなく、ソフトの力が大きいことは確かだ。