脱実績主義

脱実績主義

私達がビジネスを立ち上げた時に真っ先にぶち当たった壁は、「実績」という言葉であった。
ビジネスをやろうとする若い私達には相当キツイ難題であったことはいうまでもない。
なぜなら、今からのプランやセンスには自信があっても、それらを実績という形で見せるのは、未来からタイムスリップするしか方法がなかったからである。

クライアント(依頼者)のない自分達の作品を持って来いというのであればまだしも、今までに行った実績がないとお付き合いできないとなると、これはキツイの一言である。
確かに、どこの馬の骨かも分からない若造に仕事を任せるのは企業からすればリスクの何ものでもない、ましては個人や有限などのイメージからも小さいと予測される者達を、どこで信じろというのかという声が聞こえてきそうである。しかし、今、時代を動かしているのは明らかに組織や実績ではない、個の力であることは周知の通りであろう。個の持つ想像力や生み出すパワーを最大に活用してマーケティングする手法が今の時代を引張っているのである。

私達は実績を重視する企業の方々に対し「これからはこうなります。だから、こうしましょう」と説得することから始め、除々に実績を伸ばしていったが、実績なんて何の意味もない時代だということを私達は知っている。しかし、旧態依然、古い体質の企業などは、今だに名前や実績で仕事に取り組んでいる。
これは間違いであり、大きな発展は見込めないだろう。今こそ実績(何をしてきたか)ではない、何をしていき、どう生きていくのかを明確に応えれる個の力を重視していくべきである。
脱実績主義を掲げ、未来の扉を思い切って開けることに今すぐ取り組み、個人の持つあらゆるネットワークを編集し、提案していく時代へ突入したことに早く気付き、個に耳を傾ける器を育てるようにすべきである。