ブランド考
そもそも私達の仕事は店舗などの商環境をデザインすることイコールブランド構築とは切り離せない関係にあることは、間違いない。では、ブランドとは何かを考えた場合、私達はこう考える。
「ブランドとは、その企業の志や理念の形象化に他ならない」と。
社会に対して私たちはこうありたい、またはこうあるという「心の現れ」がブランドを構築していくのである。
こうあるという姿勢が言語化され、ビジュアル化されていくことで、人々に良質なイメージの伝達が始まる。
それが、ブランドではないだろうか?要するに存在理由の形象化なのだ。その企業やお店、商品の中に存在する魂や想いの外在化こそブランド訴求なのだ。ただ近年のブランドの多くは残念なことにアピアランス(表層的)なものも多く、深耕してそのモノの真の存在理由を探求することなく、「新しさ」などを追い、ビジュアル先行で作られた力ないブランドになっているものも多く見受けられる。結果そういったモノは、長続きすることなく終わってしまう運命にある。ブランドはブランドとして育成するという気概がなければ、ブランドにならないのである。
その為には、その企業やお店、商品などブランドを形づくるものの「真の存在理由」と「向かうべき方向性」、それに「未来へのビジョン(志)の耕し」が必要になるのではないだろうか?この「耕し」に今という時代性を取り込み、形象化し、その際に、変えてはならないものと変えるべきものをしっかりと見極め、編集を繰り返すことで生まれる言語やビジュアルイメージをしっかりと形づくること、それがビジュアルのアイデンティティとして形象化されるものが、デザインなのだ。それは、空間デザイン、グラフィックデザインは勿論、人々の心の中に描くイメージすらデザインする「共感デザイン」も含まれる。
こうありたい、こうあるという姿勢を貫き、それらにご理解、ご共感いただけるように「導く」こと。
それが僕たちがお手伝いする「ブランド構築」の形である。各業界で進む飽和化の嵐の中、今後ますますブランドの在り方が、問われるとともに、その重要性が増していくことは間違いない。
それを企業戦略の柱に捉えて育成していくことが、今後の成長の鍵を握ることは言うまでもない。